今年の6月、オランダのハーグで学会があった際に周辺都市を巡る機会がありました。 幸いにも、デルフト(Delft)という都市の大学院に所属している子に出会い、デルフトの案内をしてもらうことができました!アムステルダムやハーグに比べると小さいですが、とてもキレイで穏やかな街です。今回のブログは、そこで古き良き風車について学んだり、地元のレストランに行った旅の記録になります。
デルフトとはどんな場所?
毎週木曜日に挽かれる小麦粉
デルフトに来るために乗った電車が通る線路のすぐ近くにある風車、”Delftse Molen de Roos“。今はオランダ国内でも数少ない、昔ながらの風車の一つ。 現在は主にボランティアの人たちが案内や風車の運営をしているらしく、小麦粉を挽くのは毎週木曜日だけだそう。たまたまデルフトに行ったのが木曜日だったので、ガイドの人からいろいろ聞きながら小麦粉がどんどん出てくる様子を観ることができました! 普通の小麦粉だけでなく、スペルトやライ麦や大麦も挽いています。
風車内に書かれた説明によると・・・
風車はオランダで重要な役割を果たしてきました。 最初の風車が国内に作られたのはおそらく1200年あたりに遡ります。 初期の頃は穀物を挽くのに用いられました。 15世紀以降は、水を移動させるのにも用いられ、それによってオランダがより暮らしやすい国となりました。 そして17世紀に初めて、工業的な目的に用いられました。形や目的は様々で、18世紀には10,000台もの風車が稼働していました。 しかし、1900年までにはその数は4000台程度になり、1996年までにはたった1000台足らずとなりました。
水車や風車の数が減り始めたのは産業革命のときで、スチームエンジンが発明されたことによるようです。その前には、風車は麦を挽くだけでなく、製紙のための木材を砕いたり、着色料やココアビーンズやとうもろこしを粉砕することにも使用されていたそうです。現在オランダに残っている風車や水車は、1923年に創立された Dutch Mill society という国内の団体によって大切に守られているそうです。
私達が訪ねたデルフトの風車の入り口付近に小さなお店があります。そこは、まさにパン作りが好きな人にとって天国みたいな場所で、オランダ語で書かれたパン作りの本やプルーフバスケットやその他、細々したかわいいキッチン用品が色々あります。残念ながら、航空手荷物制限のせいで泣く泣く、ライ麦粉を1キロだけ買って帰ってきて、自家製サワードウパンを作りました^^ サワードウについてはまた後日、ブログを書きます。
Stamppot: 伝統的なオランダ家庭料理
デルフトを歩き回った一日の終わりに、案内してくれた友人が THUIS by Ladera というローカルな家庭料理レストランに連れて行ってくれました。 こじんまりして温かい雰囲気のレストランの奥にある、植物に覆われた塀に囲まれた明るい中庭で夕食を食べました。勧められたのは、Stamppotと呼ばれる、ケールなどの葉物野菜とマッシュポテトの上に何かしらのお肉(ソーセージなど)がのっているオランダの伝統料理。今回は、大きな肉団子とベーコンがたっぷりのっていました。Yum yum。 味付けはシンプルで、家庭の味というかんじでした。値段も安く、8ユーロくらい。 オランダのビールを飲みつつ、新しくできた友達とおいしい料理をつまむ。こんなふうに毎晩過ごせたらなーと思わずにいられない、六月の晩でした。